2015年1月3日土曜日

一人グラフィックトライアル

去年の11月頃、初めてシルクスクリーンに挑戦してみた。
どうも普通のオフセット印刷やインクジェットに物足りなさを感じていて、印刷物というよりは版画に近い形で作品を作りたいなと思っていた。

印刷についての知識がない人に簡単に説明します。

オフセット印刷はいわゆる世の中に溢れる一般の印刷物に使用され、チラシや雑誌など、ほとんどがオフセット印刷。大量印刷するのに向いている。
C(シアン=濃い水色)M(マゼンタ=濃いピンク)Y(イエロー)K(ブラック)のインキの網点で構成される。

インクジェットは個人で利用する家庭用プリンターなどが一般的で、少数印刷するのに向いている。品質はピンからキリまであるが、最近はプロ写真家向けの機種もあり、非常に仕上がりがきれいだ。CMYKだけでなくグレーインクやオレンジ、グリーンインクなど搭載しているものもある。

シルクスクリーンはよくTシャツに印刷する方法として知られている。濃厚なインクの質感が出る。基本的に手仕事で刷るため、刷師の技術によって品質が変わってくることもある。版画としても使用される。


今まではインクジェット中心で作品を作って来たが、インクジェットの弱さというか、他のデジタル印刷にも共通していることだが、インクの厚みが薄く均一でいかにもデジタルって感じがして作品としては少し面白みに欠けるなあと薄々感じていた。色数も限られてるし蛍光色とかメタリックカラーとかそういった特色的な色を使いたいと思った時、インクジェットでは実現出来ない(メタリックカラーをプリント出来るプリンタは実は存在するがそれはひとまず無視)。その辺の弱点をうめる為にシルクスクリーンを組み合わせてはどうかと思いついた。

しかし、今回はまだインクジェットとシルクスクリーンを組み合わせることはしていない。
シルク初心者としてまず手始めに、小さな版で実験することにした。


グレーの画用紙に白と黒のペンで描いた原画をスキャンする


ハイライトの部分、影の部分をパソコン上で分解してそれぞれ版を作った。
色々試してみたが、いくつかピックアップして載せてみる。


紙:グレー ハイライト部分:金 影部分:青


紙:ライトグレー ハイライト部分:蛍光グリーン 影部分:ライトブルー


紙:グレー ハイライト部分:蛍光レッド 影部分:青


紙:ライトグレー ハイライト部分:蛍光グリーン 影部分:蛍光オレンジ


紙:グレー ハイライト部分:蛍光グリーン 影部分:蛍光ピンク


紙:グレー ハイライト部分:シルバー 影部分:蛍光ピンク


紙:黒 ハイライト部分:シルバー 影部分:なし


紙:ホログラムシート ハイライト部分:地 影部分:蛍光ピンク 背景:赤

別角度


紙:ホログラムシート ハイライト部分:地 影部分:蛍光ピンク 背景:白


紙:ホログラムシート ハイライト部分:地 影部分:蛍光オレンジ 背景:白


紙:ホログラムシート ハイライト部分:地 影部分:蛍光ピンク 背景:白


紙:千代紙のような質感のキラキラ光る紙 ハイライト部分:地 影部分:蛍光グリーン 背景:白


紙:ホログラムシート ハイライト部分:地 影部分:蛍光ピンク 背景:青


紙:オーロラシート ハイライト部分:地 影部分:蛍光ピンク 背景:青


紙:蛍光オレンジ ハイライト部分:黄 影部分:赤


紙:蛍光オレンジ ハイライト部分:黄 影部分:青


紙:蛍光ピンク ハイライト部分:黄 影部分:シルバー


実物とパソコンのモニターで見るのと大分違うが、いちいち細かく色調整してアップするのも面倒なんでこれで勘弁。

今回の実験の目的としては、単純にシルクスクリーンに慣れるのが一つ。もう一つはデッサンとしての秩序が保たれているバドミントンのシャトルの絵を、ハイライト部分と影部分と背景部分を全て切り離して考えて、再構成することでどんな効果があるのかということを確かめたかった。

まあアンディ・ウォーホルや先人たちがやってきたようなことを自分の手でやってみただけで、少し違う部分と言えば写真を使わずに、背景との絡みのある手描きデッサンを使ったということでした。

以上、一人グラフィクトライアルでした!


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